【外資系企業勤務の体験談】障がい者であっても輝ける社会のため

大学を出て、外資の会社に入り、年収が1000万を超えたのは2年前でした。

自分自身、なぜ障がい者でありながらこのような厚遇を受けられているのか不思議でした。

「才能としての障害」

実は、世の中には障害を「才能」として捉えている社会コミュニティや、考えもあります。その理由が自分の今の環境の説明の一つかもしれません。

彼らの主張はかなり広がりが大きく、また、障がいを「ギフト(Gift)」と、ポジティブ捉える理由は様々あるようです。あまり発散せず、自分が感銘を受けた一点だけ紹介します。

・障害の「ハンデ(Obstacle)」を克服するために得られた「対応手段・方法(Coping Method)」を、障害の克服以外の問題にも当てはめることができる。

ひいては、自らその方法論を昇華させ、常人にはできないような成果を得ることができるため。

この言葉を知ったのはかなり前でしたが、その本当の意味を知ったのは大学卒業間近、通訳の仕事をした時でした。

通訳で見出した才能

ここまで読んでもよくわからない人のために、実例で説明します。

私はADHDであるため、人の話す言葉をよく聞き逃します。一つのフレーズで20個単語が出たとすると、聞き取れるのはせいぜい9~12個ほどでしょう。すると、その間にある単語を補完しないといけないという「ハンデに対応する方法」が身につきます。
要するに言葉の聞き取れなかった部分を脳内で勝手に補完して、トーンや単語のチョイスなどからおおよそ何を言いたいかを(かなりの精度で)当てることができるということです。

それが活かされたのがテレビやカンファレンスにて同時通訳を行う時でした。同時通訳はその名の通り、言葉が全て発される前に同時に通訳を行わなければなりません。そこで私は驚くまでに、次の単語やまだ言われていない言葉が何であるかを高い精度で予想し、通訳できることが判明したわけです。
先輩や上司の通訳者には「すごい才能だ」と言われましたが、これはあくまでも自分がハンデと闘ってきて身につけたスキルの一つでしかないとは、伝えませんでした。

「障害」を活かして輝くために

外資企業の話に戻りましょう。

詳しくは個人の特定につながるので話しませんが、今の会社でも、同じように、「対応手段(Coping Method)」を生かした仕事をしております。

それを理解してくれる職場には常々感謝しております。

日系企業への偏見ではありますが(念のため、傾向としてのデータは存在します)、あまり個性を生かした仕事の環境作りはできていない印象です。

外資系会社でも少数しかできていないと思いますが、障害を「ギフト(Gift)」と捉え、上記のように仕事で活かしてもらう、といった方向にシフトしている企業は存在します。

そういった企業の一つに入社できたことは幸運です。しかし、ただの運ではなく、今後は一つの選択肢として「選べる」ようになるかもしれません。

そのタイミングが来たときに、これを読んでいる皆さまにも、自分の障害がただのデメリットというわけではなく、メリットとして活かせるかもしれない。そういう環境があるかもしれないことを、意識してもらいたいと思います。

今後の社会の流れは誰にも読めませんが、自分の「方法論」がいずれ活かされることを信じて、前を向いて生きていきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA